生成AIの安全対策は、難しいセキュリティ製品を導入することだけではありません。どの情報を入力してよいか、誰がどのアカウントを使うか、出力を誰が確認するかを決めることが基本です。
生成AI利用の代表的なリスク
情報の誤入力・漏えい
個人情報、顧客情報、契約、図面、価格、認証情報などを不用意に入力すると、社内規程や契約上の問題につながる可能性があります。
誤情報の利用
AIは、もっともらしい誤りを含む文章を生成することがあります。数値、制度、法令、製品仕様、固有名詞は一次情報で確認します。
著作権・商標など第三者の権利
生成AIで作成した文章や画像であっても、既存の著作物、写真、イラスト、ロゴ、商標など第三者の権利への配慮が必要です。
特に、次のような社外公開・商用利用では、生成されたからそのまま使えると判断しないようにします。
- Webサイトやランディングページ
- SNS投稿や広告
- チラシ、パンフレット、営業資料
- 商品パッケージ
- 販売するコンテンツ
公開・販売・広告利用の前に、既存作品やロゴなどとの類似性、利用しているAIサービスの規約・利用条件、素材の権利関係を確認します。
権利関係を判断できない場合は、必要に応じて専門家へ確認します。
アカウント管理不足
共用パスワード、退職者のアカウント放置、個人契約への業務データ保存は、管理不能の原因になります。
入力前チェック
- 個人を特定できる情報が入っていないか
- 顧客や取引先との秘密保持対象ではないか
- 未公開の価格、契約、図面、技術情報ではないか
- パスワードや認証情報が含まれていないか
- 匿名化・仮名化・要約で代替できないか
出力後チェック
- 出典や根拠を確認できるか
- 数値、日付、名称に誤りがないか
- 差別、偏見、過度な断定がないか
- 第三者の権利を侵害するおそれがないか
- 誰が最終承認するか決まっているか
アカウントとデータの管理
- 業務利用を認めるサービスを一覧化する
- 可能な範囲で会社管理のアカウントを使う
- 多要素認証を設定する
- 退職・異動時の停止手順を決める
- 共有範囲と保存先を定める
- 個人アカウントへの業務データ蓄積を避ける
具体的な設定名称は変更されるため、導入時点の公式情報で確認します。
事故が疑われるときの初動
- 利用と送信を止める
- 入力した情報、利用者、時刻、サービスを記録する
- 社内責任者へ報告する
- 契約、法令、取引先との取り決めに基づき対応を判断する
- 原因と再発防止策を利用ルールへ反映する
導入前チェックリスト
- 利用目的と対象業務を決めた
- 利用を認めるサービスを決めた
- 入力禁止情報を決めた
- 人による確認と承認の流れを決めた
- アカウントの発行・停止方法を決めた
- 保存先と共有範囲を決めた
- 問題発生時の報告先を決めた
- 社員へ説明・研修を行った
まとめ
生成AIのセキュリティ対策は、情報を入力しない仕組み、回答を確認する工程、会社が管理できるアカウント運用の3つが中心です。
社員向けの基本的なAI利用ルールについては
「企業向けAIリテラシー・利用ルール2026」もご覧ください。
