生成AIへの指示は、長く書けばよいわけではありません。業務の目的、渡す情報、守る条件、出力形式、確認方法が明確であれば、短い指示でも結果を安定させやすくなります。
特定のAIサービスや画面に依存せず、社内で共有・改善できる業務用プロンプトの作り方を解説します。
業務用プロンプトの基本形
- 目的:何のために使うか
- 役割:どの立場で考えるか
- 入力:参照する情報は何か
- 条件:守る制約、対象者、禁止事項
- 出力:表、箇条書き、文章などの形式
- 確認:不明点の表示、根拠、最終確認事項
まず「AIを使える業務」を見つける
プロンプトを作る前に、「自社のどの仕事でAIを使うのか」を決めます。
思いついた業務へ片っ端からAIを導入するのではなく、日常業務を洗い出し、効果とリスクの両方から候補を絞ります。
業務洗い出しテンプレート
当社は[業種]です。
主な業務は[主な業務を入力]です。この会社で生成AIによる効率化を検討できる業務を10個挙げてください。
それぞれについて、次の項目を表形式で整理してください。
・対象業務
・現在行っている作業
・AIが補助できる部分
・人が判断・確認すべき部分
・期待できる効果
・導入時のリスク・注意点個人情報、顧客情報、秘密情報をAIへ入力することを前提にせず、安全・品質・契約に関する最終判断は人が行うものとしてください。
出てきた候補をすべて実施する必要はありません。
「繰り返しが多い」「時間がかかっている」「入力と完成形がある程度決まっている」「人が確認できる」といった業務から、1つずつ試します。
汎用テンプレート
目的:[達成したい業務目的]
対象:[読む人・利用する人]
入力情報:[匿名化した資料・要点]
条件:[文字数、トーン、含める項目、含めない項目]
出力形式:[表、箇条書き、見出し構成など]
確認:不明な点は推測せず「要確認」と示し、事実確認が必要な箇所を最後に一覧化してください。
文章作成テンプレート
次の情報をもとに、[対象者]向けの[文書種類]の下書きを作成してください。目的は[目的]です。入力情報にない事実、実績、数値は追加せず、最後に担当者が確認すべき項目を示してください。
情報整理テンプレート
以下の記録を、①決定事項、②未決事項、③担当者、④期限、⑤確認が必要な情報に分けて整理してください。記録にない内容は補わず、曖昧な箇所には「要確認」と付けてください。
手順書作成テンプレート
以下の業務内容を、新任者が実行できる手順書の初稿にしてください。各手順を「作業」「判断基準」「注意点」「異常時の連絡先」に分け、安全、品質、契約に関わる判断は責任者確認として明記してください。
比較・検討テンプレート
[検討対象]を比較する評価項目を作成してください。費用、導入負担、運用担当、情報管理、既存業務との相性、教育、解約・移行のしやすさを含め、最終判断は行わず追加確認事項を示してください。
一度で完成させず、段階に分ける
提案書を作る場合
- 相手の課題と前提を整理する
- 不足情報を質問として出す
- 提案書の構成を作る
- 各章の下書きを作る
- 数値・実績・表現を人が確認する
品質を安定させる改善記録
- 対象業務と利用目的
- 入力してよい情報
- 使用した指示文
- 良かった出力例
- よくある誤り
- 人が確認する項目
- 更新日と管理者
避けたい指示
- 「いい感じに」など判断基準がない
- 元資料を示さず事実の作成を求める
- 個人情報や秘密情報をそのまま貼り付ける
- 重要判断までAIへ任せる
- 一度の出力を完成品として使う
生成AIへ入力してはいけない情報やアカウント管理については、[企業向け生成AIセキュリティガイド2026 →]をご覧ください。
まとめ
業務用プロンプトは、AIに賢く見せるための呪文ではありません。仕事の目的、入力、条件、完成形、確認責任を明文化する業務設計です。
